事例2:上手くできているか心配で、もやもやする
コンストラクションとリフレーミング
今回も無料相談の中で、相談者Bさんの許可を得まして、相談の内容(一部細かい部分は加工しています)と、その中でのアプローチについてご説明させていただきます。
Bさんはキャリアコンサルタントを去年取得し、現在は職業訓練関係の仕事をされています。
Bさんの雰囲気は柔らかく、とても話しやすい印象を受けました。
そんなBさんですが、自身の仕事に対して、「上手くできているか気になっている」とのことです。
職業訓練に来られる方は様々で、中には自分よりも多くの凄い経験やスキルを持たれている方などもいて、恐れ多いと感じることもあります。
Bさん自身、キャリアコンサルタントとしての経験が浅いとのこともあり、余計に支援に対して、「上手くいっているのか、これでよかったのだろうか」という気持ちが出てしまうことがあるそうです。
そこから、自分のキャリアコンサルタントとしての壁を感じているともお話されました。
ここで僕はある研究についてお話します。
それは「臨床経験年数と心理療法の効果」についての研究です。
その研究は約6000人のクライエントと170人の経験年数が幅広いセラピストが対象となり、臨床の効果と経験年数は比例するかを研究します。
結論からお伝えすると、比例はしません。
経験年数が多ければ効果が高くなる、というわけでなく、しいていうなら初期のドロップアウトが少なくなる。という違いくらいしかありません。
しかし、効果が高い人、低い人は存在します。
ならばその違いは何なのかをさらに研究したところある答えにたどり着きます。
それは効果が高いセラピストは皆
自分自身の効果を問い続ける「反省的姿勢」を持たれているという共通点があったのです。
そしてこのお話をした後に僕は
「Bさんは経験についてなどを話されましたが、僕も全ての経験を知っているわけではないですし、むしろ知らない事ばかりです。」
「経験がなければできないとなれば、僕も何もできないです」
「しかし、この研究で言われているように、『これでよかったのだろうか』という反省がBさんにとってこれから力をつけるために大切なことかと思います」
それからBさんが少し表情が変わり、壁はあるけれど、それは私にとって大事なことなんだと気づかれました。
・コンストラクションとリフレーミング
今回のお話で意識したのは
「コンストラクションとリフレーミング」です
最初に言われた「上手くできているか心配」と言う部分を
あなたは上手くできていると褒めても、本人自身に確証は薄く、その言葉で悩みは解決しないでしょう。
なので、臨床の効果と経験年数についての研究についてお話して、一度、経験がない=上手くいっているのか不安という文脈を外します。
そして研究の話で経験があるないが上手くいくの基準ではないという構成を作り、その後で「上手くいっているか心配」=これからの成長に必要なものと言う新しい価値観(リフレーミング)を入れました。
このように相談者が話された文脈(経験がないから上手くいっているのか心配)という文脈から新しい文脈(経験と上手くいくかは比例しない)を構成することを「コンストラクション」といいます。
そして上手くいっているか心配というマイナスのフレームを「必要なものである」という新しい見方とすることを「リフレーミング」といいます。これは上手くいっているかどうかについては何も変わっていませんが、見方が変わることで全く意味が変わるようになるのです。
最後にBさんが笑顔で話されたとき、僕から一言
「いろいろ偉そうなことを言いましたが、その笑顔を見て僕自身安心してます」と伝え、終了しました。
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